介護の終わり
介護の終わりは、死を意味します。
特養に入った母は、新しい環境に馴染めなかったのでしょう。
日に日に食事の量が減り、最後には、水分も口にしようとしなくなりました。
固く、口も心も閉ざしてしまったのです。
点滴をするかどうかと聞かれましたが、きっと嫌がるだろうと断りました。
これが、母の選んだ道なのだろうと…。
数日後、私の目の前で母の呼吸は徐々にゆっくりになり、止まりました。
覚悟はしていたので、慌てる事もなく、教会の牧師先生に連絡をしました。
冷静だったと思います。
グループホームにそのままいればよかったのではないか。
点滴をすればよかったのではないか。
そんな思いを必死に吹き消しました。
後悔しても仕方がない。
頑固で意志が硬い母らしさが、最期に見られたように感じました。
4年前、母は66歳でした。
そんなに早くいかなくてもよかったのに…。
今年で70だったんだ。
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